PBT TOP10 CLASSIC 2010 概要レポート

有言実行のレコード優勝!田中選手が5890gで優勝!

 

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(注)藤高代表から楯を受け取る図であって、藤高選手が獲得したわけではありません。

 

今年もこの季節がやってきました。そうです。待ちに待ったPBT TOP10 CLASSIC 2010です。この一戦の為に選手は一年を戦ってきたのです。

毎年の事だが、クラシックの会場はその年のA.O.Yの抽選で選ばれる。今期A.O.Yに輝いた田中選手が引いた札は、またしても『小野湖』。そして、時期は4月10日。そうなると、気になるのは先週に行われた地元ショップであるキャストの大会である。詳しくはHPを見てもらうとして、驚くべきはそのウエイトだ。優勝が7800g/5匹。二位が7360g/5匹、三位が5720g/5匹。キャッチ率は22/30という昨年に比べると驚くべき数字となった。

 


PBTの場合はリミットが3匹ということで、この数字を見る限りリミット達成は、優勝の必須条件というのは間違いなかった。昨年の優勝が4160gで、唯一のリミットメイクだったことを考えれば、状況がかなり好変したのは誰の目にも明らかだった。問題は優勝ウエイトだ。4500gは必要だと言われていたが、大会前には5000gか?とも。そして、当日には5500gは要るよ!など・・・。いずれにしてもトップ争いはハイウエイトの勝負になることは間違いなかったのだろう。

クラシックの朝は早い。前日からの泊まり組みも多く、夜明け前から準備が始まった。しかし、思いのほか寒いことに多くの選手がびっくりした。

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デッキや車のフロントガラスは綺麗に凍り付いていた。気温は0℃を下回ったということだ。

 

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朝靄の中のランチング。トーナメントを経験したもの達にはたまらない瞬間の一つである。

 

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PBTのクラシックは出場者10名という狭き門である。ただし、これは年間登録をしている選手に限っていた。実は今年は年間登録をしていたのは13名。うち、仕事などの都合で欠場したのは3名。ということは今期に限っては年間登録をしていれば出場できたと言うのはナイショの話である。ただし、これも今期まで。というのも、来期から年間登録というもの自体が廃止され、1戦でも参加した選手にはクラシックの参加が認められる。もちろん、年間の成績の上位10名ということに変わりはない。ディフェンディングチャンピオンのシード権もなければ、A.O.Yのシード権もない。年間の成績上位者だけに認められる出場権利なのだ。

 

朝のミーティングはいつもの事ながらさくさくと行われる。これは少しでも早く釣りをしたいという釣り人の性だ。しかも、今年は地震のこともあり、マイクを止め、音楽もやめた。そして、国家静聴(斉唱ではない)の後に、被災者のことを思い黙祷をささげた。私達が釣りが出来ると言う環境をとてもありがたいことだと感じなければならない。そして、被災地以外の地域での経済の流れを止めてはいけない。これは釣り業界でも同じこと。

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今回、一部の釣り人が上流のスロープを無断で使ったようで、少々トラブルがあったと聞いている。「知らなかった。」という言い訳は通用する訳ではないが、今回は「スロープはアクトビレッジ以外では使えません。」と説明を受けた後での出来事だったようだ。何がどうと言うつもりはない。いや、言う必要もない。本人達は分かって使ったのだから。ただ、一つだけ言える事は、利用者の協力なくして、フィールドの維持は出来ないということ。PBTとしても利用時間、時期の延長などは要請して行く予定だ。しかし、現在管理者側が出しているルールはしっかりと守って欲しい。ルールの緩和には釣り人側の協力が不可欠だということを、もう一度肝に銘じて欲しい。

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スタートの時刻は6時30分。競技時間は7時間なので、13時30分が帰着ということだ。この7時間が長いと感じるのか、短いと感じるのかは、選手達の釣果に大きく左右される。今回はどうだったのだろうか。

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今回はカメラ艇を用意することが出来なかったために、河口選手のプレスとして同船した藤本くんのカメラ映像をアップすることにする。なので、太田筋及び、帰着前の選手しか写っていない。

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まだ、朝もやが残っているので、スタート直後だろうか。前年度のチャンピオンである山崎選手である。プレスを乗せての戦いは緊張もするが、身の締まる思いだろう。

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そして、カメラマンの前でグッドサイズをキャッチ。こういった人を『持っている』というのだろう。

 

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こちらはGUTS選手。インジェクションのあたりだろうか。この時点で、すでにビッグウエイトを持っていた。

 

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こちらは・・・??山藤選手ですね。この時点ではまだ2本。しかし、帰着10分前に会場前で1300gフィッシュを釣り、拍手喝さいを浴びていました。まさにドラマ魚というやつですね。最後まであきらめてはいけません。

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帰着前の河村選手。このポーズは・・・?!まさかの??

 

ここからはウエイインされた魚を見ていきましょう。

今回はみんなが満足げな顔で帰ってきた。そりゃ、そうでしょう。前回の大会がリミットメイク1人だったのに対して、今回は7名。つまり、7名は「もしかしたら・・・勝ったんじゃね?」と心のどこかで思っていたでしょうから。ということで、本数およびウエイトを自己申告してもらうことに。

 

 

その結果、ノーフィッシュは河村選手のみ。河村選手は前日プラは絶好調で、複数のバスをキャッチしていたようだ。ただ、そのバスが今年のファーストフィッシュだったようで、「やっと、バスに『あけましておめでとう』が言えたよ。」と喜んでいた。しかし、本選では無念のノーフィッシュ。初出場で苦渋を飲む結果となった。

 

 

次に1本の申告をしたのは、年間2位の藤高選手。今期最終戦では持ち前の強さを発揮して、自分のスタイルで優勝。その勢いのまま、クラシックに突入したかのように思われたが、シャローを打ち切って、見事に散った。

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ウエイトは1270g。トーナメントにおいてキロアップはキッカーとなりうるウエイトなのだが・・・。この魚を見ても誰も声を上げない。
みんな自信に満ちた顔で見ている。結果は9位。今期はもう一度見せ場を作ってくれることだろう。

 

 続いては年間3位で初出場の須藤選手。普段はノンボーターなので他の選手にボートを借りて出場。こういったことが出来るのもPBTのよい所。おかっぱりばかりの人も是非クラシックを狙って参加してくださいね。大会前は「近場で過ごします。」といっていたのだが、そこは釣り人。厚東川の上流まで行ったようだ。そして、リミットは達成できなかったものの二本をキャッチ。ルアーはHPFクランクスペック2。橋脚などのシェードを狙ったという。

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見事な魚ですね。ウエイトは2810g/2匹とあと一本ないのが悔やまれる。実は須藤選手も『あけおめフィッシュ』だった。ライトリグばかりでマンネリ気味だといっていた同選手の2011年ファーストフィッシュはクランクでの幕開け。結果を抜きにして楽しかったと振り返っていた。今期は一回りパワーアップした同選手を期待できそうだ。結果は7位。同サイズが追加できていれば入賞もあっただろう。

 

 

 

続いては年間9位の吉元選手。九州からの参戦組で小野湖は得意としているもののホームとは言えない。遠征費も馬鹿にならないと思うが、とてもありがたく思う。メインエリアは下流。三連ワンドから更に下流までと広く探っていたようだ。メインルアーはキンクーのネコリグ。水深は2mまでを引きずりながら狙ったとのこと。

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リミットを達成していたのだが、ウエイイン前に一匹がデッドに・・・。その結果、二本となり、2370gをウエイイン。昨年度はプレスとして乗船してくれた吉元選手。今期は選手として一花咲かせたいところだったが、力及ばずだった。結果は8位。

 

 

 

続いては昨年度のディフェンディングチャンピオンの山崎選手。ここからはリミット達成組だ。つまり、3匹でのウエイトということになる。

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これまた見事な魚だ。3460gをウエイイン。これで6位とは!本人も「勝つのは無理だけど、何とか3位には・・・・。」と思っていたことでしょう。

 

 

 

続いては繰上げ選出の太田選手。彼も九州からの参戦である。いつもはノンボーターでの参戦なのだが、今回はワンマン大会のクラシック。果たしてどんな釣りを展開したのだろうか。

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綺麗な魚なんですが、持ち方を工夫すればもっと大きく見せれますよ!3680gをウエイインで5位。メインエリアは太田筋。ルアーはスワンプクローラーのネコリグ。水深は1mですべてキャッチ。入れ替えも果たしたらしい。「行くまで水位も情報も分からずに、迷ってばかりで、釣れたのは本当にラッキーでした。」と語った太田選手だが、ラッキーで釣れるほどバスフィッシングは簡単じゃありませんよ。

 

 

続いては、こちらも繰り上げ選出の山藤選手。実は山藤選手は昨年度は2戦しか参加することが出来なかった。しかし、棚ボタでクラシックへ駒を進めた。

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見事な太りっぷりです。いや、バスの話ですよ。一匹レギュラーサイズ(といってもキロに近い魚)が混じったため、3740gと伸び悩んだ。でも、このウエイトは十分立派なウエイトなんですが、今日という日においては霞んでしまっている。メインエリアは本湖三連ワンドの間のストレッチに絡むブレイク1~3mライン。ルアーはイマカツのアベラバ2.5g+3incシャッドテール。着底後ずる匹&ストップ、ストップ後にバイトがあるという感じでした。

 

 

 

ここからはTOP3だ。自信ありげにバッグを持ち込んだのは河口選手。グッドサイズで揃えてきたという。しかも、自分の好きな釣りでまとめてきたらしい。

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ウエイトは4200g。1400g平均ということで昨年のウニングウエイトを越えた。エリアは昨年同様に島周り。ただ、今年は減水のため昨年の場所が陸地になってたという。そのため、そのエリアへ上がるであろうルートを読み、沖のハンプを中心に攻めたという。

 

 

河口選手の4200gを見ても顔色一つ変えなかった選手が二人いた。それは田中選手とGUTS選手だ。それは持っているウエイトが遥かにそれよりも重いということを意味していた。しかし、二人とも2kg計しか持っておらず、自分の正確なウエイトを知らなかった。GUTS選手は「5kgは越えていると思う。」といい、田中選手は「5500gくらいか・・・。」とつぶやいた。

 

 

 

まずはGUTS選手の魚から見てみよう。「自信のある魚が一匹おるんよ。」

 

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文句なしのビッグフィッシュ賞である。この魚をビッグフィッシュと呼ばないでどの魚を呼べばいいのか。一匹のウエイトは2490g。そして、3匹のウエイトは5570g!とんでもないウエイトが出た。それを見ていた田中選手の顔が引き攣った。「え?5570g??これって?届かないか・・・。」

 

 

 

そして、田中選手のウエイイン。次々とビッグフィッシュが出てくる。果たしてウエイトの方は・・・。

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その魚達を見て「これはあかんわぁ!」GUTS選手が叫ぶ。そして、スケールの表示は・・・5890g!2kgフィッシュを二匹(2130gと2190g)入れてのレコード優勝だ。後ろで呆然とする河口選手がいい味出している。「これ以上ないという最高のゲームだった。プレスの中崎君にそれを見せられて本当に良かった。」と後に語った。

 

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左から3位入賞の河口選手。副賞はなし!真ん中は優勝の田中選手。副賞は釣具券50000円。右は2位入賞のGUTS選手。副賞はないがBF賞で釣具券10000円をGET!

ということで、3位入賞は河口選手。

 

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(注)ヘラ釣り師の写真ではありません。

河口選手MainTackle

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Tackle1
ROD:MEGABASS
 デストロイヤー トマホークF4-70TX

REEL:DAIWA TD-X105
LINE:SUNLINE FC
スナイパー14lb

LURE:LUCKYCRAFT LV-MAX500

 

 

 

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Tackle2
ROD:NORIES
ロードランナー6100H

REEL:DAIWA TD-X103
LINE:SUNLINE FC
スナイパー14lb 

LURE:ZBC マグナムリザード(グリパン)のキャロ    リーダー:16lb シンカー:5号(自作)  
メインエリア:太田の島(弧森島)から沖に続くロードベッド

 

 

本人コメント「東北地方太平洋沖地震にて被災された方々に、こころからお見舞い申し上げます。

またお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。
 
大会関係者の皆様方におかれましても、この時期の開催に非難の声があったと思いますが、
開催のご英断に感謝いたします。優勝したら賞金の全額を義援金にあてようと思っていましたが、
実現できず残念ですが、今後のPBTでの義援金募金活動に参加したいと思います。
 
同船して頂いた藤本君には、長時間付き合って頂いたばかりか、中盤で心が折れかけた私に
励ましの声をかけてKEEP CASTINGを最後まで支えてくれました。
充実した試合をすることが出来たのは、藤本君のおかげです。大変ありがとうございました。
 
優勝できなかったのは、大正解を導き出せなかった私の未熟さですが、私の答えもある意味
正解だったと確信しています。(負け惜しみではなくて…)
私本来のmaki2ゲームの展開ができて、4200gという結果でしたので満足しています。
次年度もクラッシックに参加できるように精進していきます。目標は打倒D帝国です。」

 

 

 

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今回から設定されたBF賞を獲得、しかも、レコードフィッシュということで、全選手の目標となったGUTS選手は2位に入賞。

 

GUTS選手MainTackle

 

 

 

P41000110001 (2).jpg

 

Tackle1
ROD:EVERGREEN
ヘラクレス ヘラクレス70-H

REEL:SHIMANO メタニウムMg7

LINE: EVERGREENマジックハードR20lb

LURE:IMAKATSU バタフライクロー(14gテキサス)

 

Tackle2
ROD:EVERGREEN
ヘラクレス ブラックレギウス

REEL: EVERGREEN オーパス1

LINE: EVERGREENマジックハードR5lb

LURE: EVERGREEN スレッジ7(リアル鮎)

 
メインエリア:厚東川のブッシュ
本人のコメント「プラから感じでいたのはテキサスのシンカーを軽くすると、魚が小さくなると言うこと。クラシックは一発勝負だし、3本だから14gのシンカーで勝負しました。キモは出来るだけ丁寧に打っていく。そして、当たったら引っこ抜く(笑)しかし、今年の小野湖は最高やね。フィールドに助けられました。今回はかなりがんばったんやけどなぁ・・・。今期のクラシックは実力で出れるようにがんばります!」

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そして、優勝の田中選手。すべての魚をこのタックルで釣ったようだ。昨年のクラシックでもまったく同じタックルで2位。春のリザーバーと相性のよいタックルだと言っていた。

 

 

 

田中選手MainTackle
 
110412_2126~01 (2).jpgのサムネール画像

 

Tackle1
ROD:NORIES ロードランナーハイブリッドバキューム610LS
REEL:SHIMANO コンプレックスCI4
LINE:DUEL パワーカーボンライトリグ5lb
LURE:ECOGAER ストレート5″(1.8gネコリグ) フック:DECOY ショットリグ#3

 

メインエリア:三連ワンドの入り口と厚東川の岩盤
本人のコメント「プラ、そして、キャストの大会、前日との流れでどんどん食わなくなっているのが分かった。自分の追っている魚がそうだったのだと思いますが。14gのテキサスから、ビーズを抜いて、シンカーをペイントにして、10gにして、7gにして・・・とやっていたら、とうとういつものネコリグになっていました。途中でシェードというキーがかなり大きなウエイトを占めているということに気づき、シェードプラスαでどんどんゲームを進めて行った。そして、岩盤の張り出しにたどり着き、2kgUPと1500gUPを同じ場所からキャッチ。キモは偶然見つけたんですが、ボトムに置いておくこと。もしくは細かいシェイク。フォールやスイミングではサイズが小さかったですね。大会の抱負で『レコード優勝』と言っていたので、有限実行できて嬉しい。また、寝不足で集中力が切れそうだったが、プレスの中崎君が適度に話しに付き合ってくれたのが助かった。ありがとう。一人では恐らく生まれなかった記録だと思います。これからもみんな前に立ちはだかる大きな壁になれるようにがんばりますよ。」

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おっさんは打ちひしがれた。「もう何も出てこないよ」と。

 

こうして、熱い戦いの幕は閉じた。選手たちはすべての力を立ち尽くした。5月になるとすぐに2011年度の第一戦が始まる。それは2011年度のTOP10CLASSICへの幕開けともいえる。次の選ばれた10名に入るために選手達の戦いは再び始まる。

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Updated: 2011年4月12日 — 9:22 PM

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